2019年10月の火災以降、入場出来なかった首里城の有料区域の一般公開が、2020年6月12日から始まりました。いよいよ、再建に向けての一歩が始まったのです。正殿跡や国指定史跡でもある正殿地下の遺構も見れると知り、早速行ってみました。
公開から4日後。まだまだ閑散としている首里城公園
訪れたのは、公開から4日後の6月16日。コロナの影響で、県またぎの移動が解除される前だったこともあり、本当に人がいないです。
いつもは人が写り込まない様、シャッターのタイミングを考えることが多いですが、何も考えずに撮ることが出来ました。
こちらも人はほぼゼロです。
久しぶりに入場券を購入。料金は、830円から400円に改定されていました。
こうした注意喚起があちこちに。火災に加え、コロナ対策も、で いろいろなことが大きく変わってしまったんだなぁという現実を感じますね。（まだまだ人はいないので、ソーシャルディスタンスは守られてはいましたが…）
ここから先が有料区域内です。火災後に訪れた際には、固く閉じられていました。
いよいよ、有料区域内へ
奉神門（ほうじんもん）をくぐると、
あったはずの正殿はもうありません。
広く美しかった御庭（うなー）には、焼け残った瓦や瓦礫などが入っていると思われる袋がずらりと置いてあり、その向こうに 痛々しい姿の大龍柱が。そして火災から7カ月以上も経過しているのに、まだ焦げ臭い匂いを感じます。
右手は南殿があったところです。取り壊し中なのでしょうか、工事車両が作業をしていました。
御庭（うなー）を右手に、正殿のあった場所に向けて見学通路を進んでいきます。
正殿の大きな象徴でもあった大龍柱。
火災に耐え、跡形も無くなった正殿を守るかのように、黒焦げのまま、立っていた姿を覚えている方も多いと思います。
現在では、こうして保護されています。今後、別の場所へ移され、保存修復作業が行われるそうです。
大龍柱がある、ということは、ここが正殿のあった場所になりますね。
世界遺産に登録され、国指定史跡でもある「首里城正殿の基壇遺構」はこの小屋の外から見ることができます。
公開された「正殿遺構」と火災後の残存物
ガラス張りになっていますので、四方から遺構の様子を見ることができます。
火災前の正殿でも、床下にある遺構を小さなガラス超しに見ることができましたが、ほんの一部しか見れなかったので、こうしてしっかり見ることが出来るようになったのは 首里城好きとしては嬉しいことです。
火災後、焼け落ちた正殿の部材や灰などを除去し、遺構を保護する処置が講じられているそう。以前より、こげ茶っぽく見えるのは、火災の影響を受けたせいなのでしょうか。
これまでにも火災などによって何度も建替えられてきた首里城。
その歴史が、ここに詰まっています。
正殿遺構を抜けると、通路脇には火災した様々なものが置かれていました。
この龍頭棟飾は屋根の上にあって、遠くからでもその鮮やかな色調が印象的でした。説明板によると、鉄製のフレームのうえにガラス繊維を含めたモルタルで形どり、その表面に焼物を張り付けていたとあります。あの立派な躍動感ある髭（ひげ）は鉄製だったんだ、と初めて知りましたし、この焼け跡が何とも痛々しいです。
正殿跡の周辺は、このように工事の真っ最中。これが現実なのですね。
正殿奥・世誇殿（よほこりでん）と東のアザナ
正殿の裏側、御内原（生活空間）と城内で最も高い物見台がある「東のアザナ」も公開されていました
世誇殿は、火災の影響を受けなかったため、休憩所となっていて、首里城を紹介する映像を見ることができます。正殿とは近いはずですが、火災当時の風向きによる飛び火もなかったのでしょう。何事も無かったかのような佇まいが印象的でした。
首里城を紹介する映像が流れていますので、休憩しながら ぜひ在りし日の首里城をご覧ください。
世誇殿を抜け、東のアザナへと進みます。
あったはずの正殿、南殿、北殿の姿はなく、入口の奉神門が見えます。
そばにいた監視員の方が、
「本当はこんな風に見えたんですよ」と
以前にこの場所から撮影された写真（案内板）を見せてくれました。
今回公開されたエリアはここまでで、
帰りの通路で北殿跡から奉神門へと戻ります。首里城の面影はありませんが、所々に城跡を感じることができます。
新型コロナによる県またぎの移動自粛解除前ということで、この日は沖縄県民の方々がちらほら来ている、という感じでしたので ほぼ1人ソーシャルディスタンスで見学することができました。
その中で、1人で来ていたおじぃが、慣れないスマホで一生懸命撮影していて、何度か「これどうしたらいいのかね～？」と話しかけられ、スマホの操作を教えてあげたのですが、この暑さの中、おじぃがこうして足を運んでいる姿に、心が熱くなりました。
再建に向けての小さな一歩が始まったばかりですが、新しい首里城に会える日を楽しみに、またこうして足を運びたいと思います。
今回の有料区域に加え、「首里城復興モデルコース」という観光可能な首里城エリアを巡る新しい首里城巡りのコースがありますので、ぜひそちらと合わせて 首里城まちまーいしてみてください。
aha! でもご紹介しています！
首里城の観光可能なエリアを巡る新しい首里城巡り「首里城復興モデルコース」をまわってみた。2019/12/26
首里城公園
那覇市首里当蔵3丁目１
利用可能区域等 最新の情報はこちらでご確認ください。
http://oki-park.jp/shurijo/
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