首里城の観光可能なエリアを巡る新しい首里城巡り「首里城復興モデルコース」をまわってみた。|那覇市首里

首里城の観光可能なエリアを巡る新しい首里城巡り「首里城復興モデルコース」をまわってみた。|那覇市首里当蔵町|発見!まちまーい 発見!まちまーい
「まちまーい」とは沖縄の方言で「まち巡り」という意味。aha! 編集部スタッフがカメラ片手に、車で通りすぎたら気づかないような、そんなまちの光景をお届けします。

10月末の首里城正殿などの火災の影響で立ち入りを制限されていた首里城公園の利用区域が12月14日から拡大され、火災前の約8割まで戻ったそうです。今回、京の内物見台から下之御庭(しちゃぬうなー)まで開園となり、「首里城復興モデルコース」という観光可能なエリアを巡る新しい首里城巡りのコースが設定されたと知り、早速行ってみました。

守礼門~京の内まで。御庭(うなー)や正殿の様子も遠くから見ることができ、今の首里城を感じることができる早回りコース

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駐車場の関係で弁財天堂方面から入ると、早速「首里城復興モデルコース」の案内板が置いてありました。

コースは大きく2つあります。

1つは、「守礼門・京の内 早回りコース」。(そのうちコース1は約30分、コース2は約60分)、もう1つは、「首里城一周 / 首里まちまーいコース」。(そのうちコース1は約120分、コース2は約150分)です。

今回は、やはり首里城の主要部分をメインに見たい、と思い「守礼門・京の内 早回りコース(コース2/約60分)」を歩いてみます。

私は首里城が大好きで、毎年お正月は必ず訪れ、それ以外にも1~2回は来ていましたが、こうしてコースに沿って回るのは初めてです。

では、早速行きましょう!

まずは、❶首里杜館(すいむいかん)→ ❷守礼門(しゅれいもん)→ ❸歓会門(かんかいもん)

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❶首里杜館(すいむいかん)芝生広場

「守礼門・京の内 早回りコース(コース2/約60分)」は全部で12か所の名所を歩くコースです。
 スタートは❶「首里杜館(すいむいかん)芝生広場」です。首里杜館(すいむいかん)は、首里城公園のインフォメーションセンターで、情報展示室・総合案内・レストラン・売店等のほか 地下は駐車場になっています。

広々と緑が広がる芝生広場。この日は快晴で12月中旬だというのに夏日のような暑さ。木陰でアイスを食べる人が大勢いました。

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広場を抜け、左折し、突き当りを右折し、正殿方面へ向かいます。

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❷守礼門(しゅれいもん)

❷守礼門(しゅれいもん)が現れました。「守礼(しゅれい)」とは「礼節を守る」という意味で、門に掲げられている扁額(へんがく)には「守礼之邦(しゅれいのくに)」と書かれています。「琉球は礼節を重んずる国である」という意味だそう。
正殿に続く最初の城門ですが、それにふさわしい 美しくエレガントな佇まいです。

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園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)

守礼門を過ぎると左手に園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)があります。国王が外出するときに安全祈願をしたという石作りの礼拝所で、今でも地元の方々の拝所として大切にされています。この日も、観光客が行きかう中、地元の方が拝んでおられました。

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❸歓会門(かんかいもん)

園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)を左手にまっすぐ進むと、❸歓会門(かんかいもん)に着きます。首里城の城郭(じょうかく)内へ入る第一の正門で、「歓会(かんかい)」とは歓迎するという意味。その昔、首里城へは中国皇帝の使者などが招かれたが、こうした人々を歓迎するという意味でこの名が付けられたそう。

歓会門を抜けて、右手に石造りの階段の上に、いよいよ瑞泉門が見えてきます。

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❹瑞泉門(ずいせんもん)、龍樋(りゅうひ)→ 漏刻門(ろうこくもん)

石造りの階段を上っていくと、瑞泉門(ずいせんもん)があります。

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❹瑞泉門(ずいせんもん)

「瑞泉」とは「立派な、めでたい泉」という意味だそう。門の手前右側にある湧水が「龍樋(りゅうひ)」と呼ばれ、それにちなんで名づけられたそうです。

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龍樋(りゅうひ)

ちょうど隣を歩いていた年配の女性2人が、

「どれどれ水は出てるかね。あぁ良かったよ~出ているね~。」と安堵していました。

ほんとですね、いつもと同じように湧水が出ていて、私も安心しました。
復興に向けて、前向きになれる気がしますよね。

ここまでは、本当にいつもの首里城の風景です。本当に火災が起きたんだろうか、と思ってしまうほど。

因みに、この水は王宮の飲料水として使われていたそう。また、中国皇帝の使者・冊封使(さっぽうし)が琉球を訪れたとき、那覇港近くにあった「天使館(てんしかん)」という宿舎まで、毎日ここから水を運んだといわれているそうです。

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漏刻門(ろうこくもん)

さらに上っていくと、漏刻門(ろうこくもん)。このあたりに来ると、気のせいか、少し焦げ臭いような匂いもしてきて、門の向こうに焼けた建物も見えてきました。

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広福門(こうふくもん)を前にして、とぉとぉ焼けた建物に直面。
北殿の一部でしょうか。

実際に焼けた建物を前にして、あちこちから

「あぎじゃびよ~…」と悲しむ声が聞こえてきました。

※「あぎじゃびよ~」とは、沖縄の言葉(うちなーぐち)で、驚いたり、嘆いたり、呆れた時などに使う言葉です。

いつもはほとんど観光客というイメージなのですが、今回は予想以上に沖縄県民らしき人が多かったのです。

やはり、利用可能区域が広がったということで、自分の目で確認したい、という沖縄県民が訪れていたのだと思います。

❺広福門(こうふくもん)→❻奉神門(ほうじんもん)前、御庭(うなー)・正殿が間近に

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❻奉神門(ほうじんもん)前

燃えた建物を実際に見て動揺してしまい、❺広福門(こうふくもん)の撮影を忘れて、❻奉神門(ほうじんもん)へと急いでしまいました。

こちらも一見すると、火災の影響はないように見えましたが、

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北殿からの火が回ってきたのでしょう、門の左側は延焼の跡がありました。

奉神門(ほうじんもん)を見ることは出来ますが、規制によりこれ以上は近づくことはできませんでした。(2019年12月16日時点)

この門の向こうには、御庭(うなー)が広がり、その先には正殿があるはずです。

やはり一目見たい。

奉神門(ほうじんもん)横のコース通路の隙間から、その景色を見ることができました。

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御庭(うなー)の先にあったはずの正殿は跡形もなく。龍柱だけが黒焦げになったまま、立っていました。(写真右手の建物は南殿の一部と思われます)

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かなりの望遠で(iphone)撮影

自分の目で見て、あぁ、やっぱりもう何もないんだなぁ、と実感できました。
多くの人が、この場所で立ちすくみ、カメラやスマホで必死に撮影をしていました。

また、要所要所に警備員が配置されていたのも、事の重大さを物語っている気がしました。

茫然というか、喪失感のような、そんな空虚な気持ちになりましたが、
さぁ、気持ちを切替えて、コースを進んでいきましょう。

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ここから京の内に入っていきます。

❼京の内 城壁前 → ❽京の内 御嶽 → ❾京の内 物見台

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「下之御庭」南側の石垣の向こう側は「京の内(きょうのうち)」という城内最大の信仰儀式のエリアになります。

首里城発祥の地ともいわれ、琉球独自の信仰の最高位に位置する聞得大君(きこえおおきみ)や大アムシラレといった神女(しんじょ)たちが、ここで王家繁栄、航海安全、五穀豊穣(ごこくほうじょう)等を神に祈っていたといいます。
こうして城内にも祈りの場があるというところが、沖縄らしいなぁと感じます。

首里城には何十回と来ていますが、このエリアに来るのは実は初めてです。

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❾京の内 物見台

那覇を一望できる❾京の内 物見台。この日はお天気だったので、眺めも抜群でした。

さて、❽京の内 御嶽(うたき) ですが、確かな場所の案内が見当たらず、よくわかりませんでした。

警備員さんにも聞いてみたのですが、「あちこちにあるよ~」とのことで(苦笑)。

しかし、やはり御嶽というだけあり、パワースポット感というか、斎場御嶽のような独特の空気感がありました。

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木々が茂っていますので、やっぱりいるんですね。散策の際にはご注意を!

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西のアザナ(いりのあざな)へと進みましょう。

❿西のアザナ(いりのあざな)→⓫木曳門(こびきもん)→終点⓬首里杜館(すいむいかん)前売店

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❿西のアザナ(いりのあざな)

❿西のアザナ(いりのあざな)は、標高約130mの城郭の西側に築かれた物見台で、那覇の町や那覇港、遠くは慶良間諸島などを見ることができます。夜景も綺麗だそうです。

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西のアザナを後に、

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右手の遠くに奉神門(ほうじんもん)を見ながら、下っていくと

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⓫木曳門(こびきもん)

⓫木曳門(こびきもん)が見えてきました。ここまでが首里城内になります。

この木曳門は普段は石積によって封鎖され、数年に1度といった頻度で行われる首里城の修復工事のときにのみ、資材の搬入口として使用されていた門で、修理のための材木を搬入するために利用されたことから木曳門という名前がついているそうです。

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木曳門を出て、坂道を下り、コース最後の⓬首里杜館(すいむいかん)前売店へと進みます。

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途中左側にはこんな石碑も。
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⓬首里杜館(すいむいかん)前売店

はい、最終地点⓬首里杜館(すいむいかん)前売店に到着!
これで全コース12地点が終了です。

時計を見ると、ちょうどコース設定時間通りの60分でまわることができました。

途中、焼け落ちた正殿で立ち止まっていた時間や、京の内で御嶽を探してうろうろしていた時間もありましたので、実際にはもう少し早めにまわれたかもしれません。

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売店の端には記念メダルも販売されていました。こんな時だからこそ、いい記念になるかもしれないですね。

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首里杜館(すいむいかん)

ついでに、首里杜館(すいむいかん)の中に入ってみましょう。

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カフェ併設の無料休憩所には、モニターが設置されており、在りし日の首里城の様子が映し出されていました。焼けてしまう前の姿を見たことがない方、こちらで美しい姿をぜひ、ご覧ください。

在りし日の首里城を体感できるコース

これまで何度となく訪れていた首里城。
火災後初めて訪れて、正殿や南殿などの姿を目の当たりにしました。

今回歩いてみた「首里城復興モデルコース」の“守礼門・京の内 早回りコース”(60分コース)は、現時点(2019年12月時点)では立ち入り禁止区域で入ることができない御庭(うなー)や正殿・南殿にかなり近づいて見る(覗く)ことができるコースでした。

約60分でまわることができますので、時間的にも気軽に歩けますし、 また、一つ一つの史跡の由来などを感じながら「首里城」を体感できるコースだと感じました。

あの華やかで神々しい正殿をもう見ることはできませんが、守礼門(しゅれいもん)から入り、瑞泉門(ずいせんもん)などいくつかの城門をくぐり奉神門(ほうじんもん)、そして京の内を歩きながら、在りし日の首里城を体感することができました。

特に、京の内の御嶽エリアなどは、私にとっては初めてだったので、
かつては聞得大君(きこえおおきみ)や大アムシラレといった神女(しんじょ)たちが、ここで王家繁栄、航海安全、五穀豊穣(ごこくほうじょう)等を神に祈っていたことを考えると、「ここまで含めて首里城なんだなぁ」と実感しました。

復興・再建には気が遠くなるほどの時間と努力が必要になるでしょう。
自分が生きている間に完成した姿を見れるのか、もわかりません。

けれど、またいつか 新しい首里城に会えるのを楽しみに、今までと変わらず、首里城に足を運びたいと思います。少しずつ、再建していく様子を、これからも「まちまーい」でご紹介していきますね!

いつも来ていたから、
「またいつでも来れるし…。」と、実は写真をほとんど撮っていませんでしたが、スマホにたった1枚だけ、ありました。

青空がよく似合いますね。

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2018年1月1日撮影
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首里城公園
那覇市首里当蔵町3丁目1
利用可能区域等 最新の情報はこちらでご確認ください。
http://oki-park.jp/shurijo/

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