先日、2022年2月28日をもって閉場となり、
71年の歴史に幕を下ろした『牧志公設市場衣料部・雑貨部』。
沖縄らしい華やかな織物や着物、小物を扱う『衣料部』と、
レトロな雰囲気抜群だった化粧品店などがあった『雑貨部』。
最後の姿をひと目見たいと思い、閉場目前の2月25日に行ってきました。
全盛期は100小間以上の売り場があった『牧志公設市場 衣料部(きもの市場)』
71年間ありがとうの横断幕が掲げられていました。
全盛期には100小間以上の売り場が並んでいたという『衣料部』。
閉場目前ということで、あんなに華やかだった場内はすでにほとんどが片付けられていましたが、片付けながら営業しているお店では、最後のお買い得品を買いに来ている人もちらほらいました。
常連さんなのでしょうか、名残り惜しそうにずっと話し込む姿も。
この建物の向こう側はパラソル通りなのですが、
通り側から見ると、もうすっかり片付いていました。
戦後の闇市から始まった市場
戦後、開南交差点近くに形成された闇市を市が集め、市場にしたという牧志公設市場。
1951年にテント張りの『牧志公設市場 雑貨部』と『第一牧志公設市場』が開設され、そのすぐ後に『牧志公設市場 衣料部』が開設されました。
1982年に現在の建物に改築されたそうで、建物にその印がありました。
(同年に平和通りのアーケードも完成)
呉服や着物などの小売専門店が集まった公設市場は全国でも数少ないそうで
京呉服、沖縄の織物、季節や行事、冠婚葬祭に合わせた着物や小物が揃っていました。
全盛期には100小間以上あったという売り場も、
閉場前には10数店舗にまで減ってしまいましたが、
そのうち6店舗は移転し、引き続き営業されていくようです。
いずれも味のある呉服屋さんですので、よかったです。
全盛期は70小間ほどの売り場があった『牧志公設市場 雑貨部』
雑貨部も衣料部同様に、感謝の横断幕が掲げられていました。
中はもうほとんど片付けられており、懐かしい写真が展示されていました。
昔の賑わいが伝わってきますね。
『雑貨部』と言えば、化粧品屋さんのイメージでした。
1000円エステサービスが人気だったそうで、
そう言えば、前を通ると、必ず施術を受けているご婦人が数人いらっしゃいました。
エステだったとは知らず、内地の百貨店の化粧品フロアで見かける様な美容部員によるメイクサービスか何かかなと思っていました。
(あー、撮影しておけば良かった…後悔。)
レトロなお店の雰囲気と、施術を受けているご婦人たちの光景がほっこりしていましたね。
懐かしいです。
全盛期には70小間ほどあったという売り場も、閉場前には10数店舗にまで減ってしまいましたが、
そのうち4店舗は移転し、引き続き営業されていくようです。
71年間ありがとうございました。
「時代の変遷とともにその役割が民間に移った」として
2021年に閉場が決定してから1年後の2022年2月28日。
『衣料部』前で閉場式が行われました。
戦後の闇市から始まり この界隈のマチグヮー発展に欠かせない存在だった『牧志公設市場 衣料部・雑貨部』。
お母さんに連れられて晴れ着を買いに行ったという方も多いはず。
戦後からの激動の時代、
華やかな着物や雑貨は、きっと人々の気持ちを晴れやかにしてくれたのではないでしょうか。
マチグヮーから その光景が見えなくなるのはとっても寂しいですが、
移転し引き続き営業するお店を応援していきましょうね。
皆さん、71年間お疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
<今後について>
この土地は民間から借りていたもので、建物は民間企業に有償譲渡されるそうです。
近くのお店の方に、今後の計画について伺ったところ
「どうなるのかねー。私たちも何も知らされてないのよー。」
とのことでした。
aha! では、この場所がどうなっていくのかについて今後も見守っていきたいと思います。
(個人的にはこの建物を活かした何かになるといいなーと願ってます)
牧志公設市場雑貨部・衣料部
沖縄県那覇市牧志3丁目3-4