「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り このまちで生きる人。

那覇市樋川にある「与儀市場通り」。かつては那覇市を代表する商店街でした。大型スーパーの進出やライフスタイルの変化などにより、徐々にシャッター通りと化してしまいました。しかしここ最近、与儀・樋川エリアは、センスに富んだお店が徐々に増えているんだとか。しかも、チャレンジ精神に溢れた若者が経営しているお店も多いのだそうです。市場通りに2019年にオープンしたカフェ「rokkan COFFEE CREATORS」も、そんなお店のひとつ。スタッフの奥武拓也さんと石部宏幸さんに、まちとの関わりなどについてお話を伺いました。

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
与儀市場通りにある「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん(左)、石部宏幸さん(右)

― 簡単なプロフィールを教えて下さい

・奥武拓也さん
1986年生まれ、那覇市首里出身です。元々は車やバイクなど、モビリティ関係のデザインに興味がありまして、県立芸大卒業後、リムジンを作る会社に就職、内装デザインをやっていました。でも、その会社が倒産してしまい、新都心のコーヒーショップに勤めることになりました。その後はコーヒーの多様性を伝えたいと思いまして、自家焙煎コーヒー豆の宅配専門店を始めたんです。その間、久茂地の「BACAR OKINAWA」で働いて、見せ方を含めた飲食店のノウハウを学びました。それまでの経験の集大成として、2019年12月に今のお店をオープンしました。

・石部宏幸さん
1986年生まれ、北海道旭川市出身です。高校まで旭川にいまして、卒業後は東京に出てアパレル業界にいました。25歳頃、カフェに転職してそこでコーヒーに出会ったんです。お店に有名なバリスタさんがいて、色々と勉強させて頂きました。その後、湘南や清澄白河でお店を経営していたのですが、海外のカフェ事情を学ぶため、オーストラリアのメルボルンにワーキングホリデーで1年間滞在しました。帰国後、日本各地を放浪しつつ、沖縄にはコーヒーだけでなく、暖かい環境や海など、自分の好きなものがあることもあって、3年前に移住しました。北谷で働いていましたが、奥武さんに声をかけられて、一緒にお店をやることになりました。

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り

この通りの風景に一目ぼれしたんです。同時に、賑わいを取り戻す未来も見えたんです。

― なぜ与儀市場通りにお店を出そうと思ったのでしょうか?

当初は北谷から那覇にかけて色々と店を見て回っていたんですが、どうもしっくりこなかったんです。でも、ここの通りに来たときに、一目惚れしたんです。今はシャッター街ですけど、かつては市場だったこともあり、賑わっていた過去の残像が見えたんですね。同時に人が戻ってきて、老若男女で賑わっているという未来も見えたんです。

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
与儀市場通り

― 与儀市場通り地域ってすごいなと思った点はありますか?

実はここでやるのはチャレンジでした。でも、コーヒーの先輩である栄町の「COFFEE potohoto」の山田さんから「コーヒーは人を呼ぶことができる、コーヒーでまちに人を取り戻してみせよう」と励ましてもらったんです。

地域の方々向けにオープニングパーティを開いたときも「この通りが賑わうんだったら好きなだけ騒ぎなさい」と、すごくウェルカムだったんですよ。そのおかげもあって、実際に人通りも戻ってきている気がします。

さらに、飲食店の方々の間では、与儀ってすごく穴場で一目置いてくれてるんです。毎週、空き店舗を探す方が訪れるぐらいで。でも、この場所にどんな魅力があるかが自分でもはっきりわからないんですね。これこそ、店名でもある「第六感」なのかなと思っています。

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り

うちのお店そのものが「まち」である、という想いでやっています。

― コーヒーが似合うまち、コーヒーが身近にあるまちが、地域や住民に及ぼす影響ってなんだと思いますか?

 コミュニケーションが生まれているところですね。うちのお客様は下は高校生、上は90代までと幅広いんです。しかも、おじいちゃんおばあちゃんが、高校生と話したりと、お客様同士でちゃんとコミュニケーションが発生しているので、カウンター内から見ていて、いい光景だなと思っています。

さらにコロナの前は観光客の方も来ていただいていたので、外国人と地元の方がカウンターで一緒になることも当たり前でした。うちのお店そのものが「まち」である、との思いでやっています。

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り

― 沖縄でコーヒーのお店をやる意義ってなんだと思いますか?

沖縄は「生産」「焙煎」「抽出」と、一貫してレベルが高い場所であるということです。やんばるにある「安田農園」さんのコーヒーが、2016年に世界的な規格である「スペシャリティコーヒー」に、日本で初めて認定されたんです。これは「沖縄は世界的な基準をクリアした美味しいコーヒーの産地」であることを意味します。さらに、沖縄には世界の焙煎大会で2位になったという方もいらっしゃいます。

沖縄のコーヒーはパイナップル、マンゴーの香りがしたあとに、さんぴん茶の香りがするんですよ。これは沖縄のコーヒーにしかない特徴です。元々、素晴らしい沖縄のコーヒーを発信していきたいという思いもあって「rokkan COFFEE CREATORS」を始めたということもあります。

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り
「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り

― 将来的にこのまちはどうあってほしいと思いますか?またそこに、どのような形で関わっていきたいと思いますか?

このあたりは僕にとって「変わることを望まないまち」です。じいちゃんばあちゃんがいて、子どもたちが走り回っているという、そんなまちでいてほしいです。僕たちも同じく変わらず、商売っ気を出さずに美味しいコーヒーを出し続けていきたいですね。

「rokkan COFFEE CREATORS」奥武拓也さん 石部宏幸さん / 那覇市桶川 与儀市場通り

【お店情報】
rokkan COFFEE CREATORS
那覇市樋川1-29-9
Open 平日・土曜7:30~18:00、日曜11:00~18:00
定休日:年末年始
Tel 098-996-5311
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