「fish & chips まるたま」玉代勢卓さん・藍さんご夫妻 / 那覇市曙

「fish & chips まるたま」玉代勢卓さん・藍さんご夫妻 / 那覇市曙|このまちで生きる人 インタビュー このまちで生きる人。

イギリスの名物料理といえば『フィッシュ&チップス』。現地では至るところにお店があるほどメジャーなファストフードですが、沖縄でもようやく名前が知られてきました。その中でもフィッシュ&チップス専門店として2014年から営業しているのが、那覇市曙にある『fish & chips まるたま』です。フィッシュ&チップスを出すお店が少なかった頃から、専門店として安心安全にこだわってきました。ワーキングホリデーで訪れたニュージーランドでその味に惚れ込んだという、店主の玉代勢卓さん・藍さん夫妻にお話を伺いました。

役場の臨時職員→ニュージーランドにワーホリ→エコツアーガイドと、仕事を転々

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「fish&chips まるたま」店主の玉代勢卓さん・藍さんご夫妻

― 簡単なプロフィールと子ども時代のことを教えてください。

卓さん:宜野座村出身です。高校卒業後に沖縄大学に進学しました。大学を1年間休学してニュージーランドにワーキングホリデーに行ったのですが、そこが大好きになってしまったんです。卒業後は宜野座村役場の臨時として働いていました。契約終了後、またニュージーランドに行って約1年半牧場で働いたんです。帰国してからは名護市嘉陽の『じんぶん学校』でエコツアーガイドとして約10年間、そして2014年に現在のお店をオープンしました。

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2014年にオープン

藍さん:生まれは京都で10歳で高知に引っ越しました。15歳でカナダに留学し、向こうで生活しながら21歳までいました。帰国後は『特定非営利活動法人子どもNPO・子ども劇場全国センター』で約4年間働いたのですが、あるきっかけで以前から興味があった『珊瑚舎スコーレ』の講師として働くことになったんです。これがきっかけで沖縄に来ました。そして、暇な時期にボランティアで『じんぶん学校』のボランティアをやっていたのですが、そのときに夫と出会ったんです。

― 飲食のお仕事、フィッシュ&チップスのお店を始めたきっかけはなんですか?

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卓さん:ニュージーランドで食べたフィッシュ&チップスが印象に残っていたんです。あっちではあちこちにお店がありますからね。40歳までには独立してお店をやりたいと思っていたので、エコツアーガイドも楽しかったのですが、一念発起して独立しました。

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藍さん:私が子供を連れて実家に帰っていた時、夫から連絡があって「俺、仕事やめるから。お店をやることにした」と言われたんです。いずれやりたいと言っていたので、なんとなく頭の隅にはありましたが、いきなりでしたね。でも、やるのであれば、添加物不使用・放射能検査済みの、安心・安全な食材を使ったお店にしようと思ったんです。

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― なぜ『曙』でお店をやることになったのでしょうか?

藍さん:夫が海に近いまちがいいという希望があったので、那覇市内を色々と探していました。そしてこのお店が見つかったんです。まるたまの前はお弁当屋さんや、建築工事の臨時事務所として使われていた場所でした。店内の内装なども自分たちでやったんですよ。『じんぶん学校』ではなんでも自分でやらなければいけなかったので、そのときの経験が活きた形ですね。

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小学生から高校生が一緒に遊んでいるまち。お水を飲みに訪れる子どもたちもたくさん

― 5年間身を置いてみて『曙』というまちはいかがですか?

藍さん:うちのお店はちょうど道路の角っこにあって、窓が大きいんですけど、そこからまちの様子を見てみると、すごく子どもが遊んでいるんですよ。しかも、小学生から高校生まで一緒に。お店の並びに『あけぼの公園』があるのですが、いつも大勢の子どもがいます。曙は公民館や図書館が無いので、まず曙小学校が地域の拠点にならざるを得ないんです。だからこそ、学校以外の遊び場でもあるあけぼの公園も、地域にとってとても大切な場所なんだなと実感しています。よくうちのお店に、子どもたちが「喉乾いたからお水ください!」って飲みに来るんですよ。

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お店の並びにある「あけぼの公園」。いつも大勢の子どもたちが遊んでいるそう。

― 今拠点としている『曙』を形容するとどんなことばが思い浮かびますか?

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藍さん:やはり、子どもが活発なので『子育て環境』でしょうか。小中高生が一緒になって遊んでいるということもあって、子どもたちの中の情報網がすごいんですよ。こないだ、うちの息子の自転車が盗まれてしまったんですが、それを噂で聞きつけた中学生がお店に来て「似た自転車があそこにあったよ」って。行ってみたらその自転車だったんです。こういうのが当たり前にある環境は変わらないでほしいなと。以前は石嶺に住んでいたのですが、曙に引っ越して良かったなと思っています。

― 沖縄での生活で出会った『カルチャーショック』はありますか?

藍さん:夫との会話が成立しなかったことです。そもそも喋らないし、喋っても内容にオチがないんですよ。「あれ、話はまだ続くのかな・・・、いや、違うのかな・・・」って。若い頃住んでいたカナダは、とにかく1から10までハッキリさせるので、それに慣れてしまっていたんですね。夫との会話が理解できるのに数年かかりました。

卓さん:うーん・・・。

― 5年後、10年後、このまちはどうあってほしいと思いますか?またそこに、どのような形で関わっていきたいと思いますか?

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「お母さん同士が繋がれる場所づくりをしたい。」と藍さん

藍さん:子どもが自由に遊べる環境は無くなって欲しくないですね。今どんどんそういう場所が無くなっているじゃないですか。子どもたちのコミュニティがしっかりとしているまちで有り続けてほしいです。そして、今のおばあちゃん世代が若かった時、曙は婦人会の活動が盛んだったそうなんです。今では小学校の役員にならないと、お母さんたち同士の繋がりが無い状態なので、大人も顔を合わせられるような場所づくりも大事だと思っています。

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【お店情報】
fish & chips まるたま
那覇市曙2-15-12
Tel 098-955-2093
定休日:月曜
https://marutama.ti-da.net