『MEGURO miso soup stand』さんは那覇市樋川の与儀市場通りに2021年2月8日にオープン。青森出身でバリスタの目黒龍二さんが「珈琲を提供するバリスタが、日本の食文化を新しい視点から発信・提供する場所に」をコンセプトに、こだわりの味噌汁と焼きおにぎりなどを提供しています。
「焼きおにぎり・味噌汁セット」がおすすめ!
おすすめは、焼きおにぎり・味噌汁セット。
味噌汁は、たっぷりの鰹節とお味噌にお湯を注いでいただく沖縄のソウルフード・かちゅー湯スタイル。
目の前で削りたての鰹節をたっぷりと、
そして、お好みの味噌を入れて、熱いお湯を注ぎます。
「お湯は100℃近い熱めの温度にしているんです。お湯を注いでから3分位待っていただくと、鰹の風味がより広がるんです。ちょうど良い温度のお湯を注いですぐ飲むより、熱めのお湯で3分位待ってから飲んでもらう方が断然美味しい。この感覚は珈琲をいれる時とよく似ているかもしれないですね。」と目黒さん。
セットの焼きおにぎりは、塩と醤油の2種類から。
お米は『米の原種』と言われる6種の内の『神力(しんりき)』『亀の尾(かめのお)』などの玄米を使用しており、美味しい焼きおにぎりにするために握ってから2日間、冷蔵保存したものを焼いているそう。
「うち独特の作り方です。いろいろ試しましたが、握ってから冷蔵し2日間寝かせます。2日目のお米の状態が ”水分の残り方・米の甘さ・粘り” が焼いたときに一番いい状態なんです。」
確かに、いただいてみると、形はしっかりしているのに、口の中でホロリとお米がほどけて、お米一粒一粒の旨みを感じます。
独自ブレンドの塩を使用しているという塩焼きおにぎりは、焼いた香ばしさに旨みのある塩気が絶妙!醤油焼きおにぎりは、ふわっと香る醤油と香ばしさで、両方とも、具が無いことを感じさせない満足感があります。
バリスタ×味噌
選べる味噌は4種類(2021年3月時)。
青森県、山梨県、岩手県のもので、それぞれ目黒さんが実際に味噌蔵に出向き、味はもちろん 製造環境なども含めて自身で確認し、納得した味噌蔵から仕入れているそう。
「味噌に限らず、醤油や器なども自分で見て納得したものを使用しています。味噌は一度仕入れたらずっと使わせていただこうと思ってます。コロナの影響で行けてないですが、いずれは日本縦断して、全国47都道府県の味噌を扱うのが目標。なので、今は4種類ですが、どんどん増えていく予定ですので、日本全国の味噌を味わっていただけると思います。」
そう言えば、そもそもなぜ珈琲を提供するバリスタの目黒さんが味噌汁を提供するお店を始めたのでしょうか。
「出身は青森県で田舎でしたから小さい頃は外食もしなかったし、祖父母に可愛がってもらっていたせいもあって、味噌汁とかいわゆる昔ながらの日本食で育ったんです。社会人になって都会で暮らすようになってからはその反動?でマックとかファーストフードを食べるように(笑)。バリスタの勉強でオーストラリアでも暮らして、その後帰国した時に、色々な価値観や生活を見直す機会があって、色々考えるほど ”あの頃(小さい頃)の食事”に寄ってくる自分に気がついて。」
珈琲の勉強で発酵についても学んでいたという目黒さん。
発酵食であり、日本のトラディショナルなメニューの味噌汁に自然とたどり着いたんですね。
「珈琲って、朝・昼・晩と飲むシーンによって違うものを飲んだりしますよね。味噌汁もそんな存在になるといいなと思います。」
料理人じゃないからこそ、楽しんでいきたい。
お店のある那覇市樋川の『与儀市場通り』はかつては那覇を代表する商店街。
昔の風情を残しながらも、最近ではおしゃれなお店が徐々に増えている注目のエリアです。
aha! でも以前、同じ与儀市場通りにある『rokkan COFFEE CREATORS』さんを取材させていただいていますが、実は、目黒さんと『rokkan COFFEE CREATORS』の奥武さんは友人関係なんです。
「rokkanがオープンしたのがきっかけで、この通りを知りました。毎日のようにrokkanに来ていて、この通りを眺めながら弁当を食べてたんですが(笑)その時に、味噌汁屋をやろうと思いついたんです。」
『MEGURO miso soup stand』さん、『rokkan COFFEE CREATORS』さんは共に朝6時から営業しており、
「うちの店で味噌汁と焼きおにぎりで朝ごはんを食べた方が、そのまま rokkanで珈琲を飲んで行く、という人が結構多いんですよ」と目黒さん。
なんとも羨ましい、豊かな朝時間ですね。
これからどんなお店にしていきたいですか?と伺うと、
「お店の成長って、=やってる側が楽しんでるか、だと思うんです。僕はバリスタをしてきたので料理人ではないですが、だからこそ 固定概念を持たずに常に楽しんでやっていきたいです。」
「日本人だなぁ」と気づいてもらえる場所にしたい。
最後に、
お客様に何かメッセージをください、とお願いすると、
「味噌には栄養や健康面だけでなく香りや味が多様でCOFFEEにとても似ている部分が多いです。自分の好みの味噌に出会い、COFFEEと同じように楽しんでいただければと思います。」と目黒さん。
お店のお客様は若い人も多いそうで、
「味噌汁に馴染みのない若い世代の人たちも、うちの味噌汁を美味しいと言ってくれる。これって日本人に生まれながらにすり込まれている感覚なんだと思うんです。鰹出汁の香りがする味噌汁を懐かしいと感じる、ホッとする感覚に気づいてもらえる場所。そんな場所にこれからもしていきたいですね。」。
そして、車社会の沖縄で
「コーヒーとパンを片手に、みたいに、味噌汁と焼きおにぎりを車で食べながら出勤する、そんな風になると嬉しいですね」。
店名の『MEGURO miso soup stand』そのままに、こだわりの味噌と鰹節が作り出す新しい味噌汁の世界。
昔懐かしい沖縄の雰囲気を残す与儀市場通りで、一杯の味噌汁でホッと落ち着けば、豊かな1日が過ごせそうです。
MEGURO miso soup stand
那覇市樋川1-30-24 高良アパート103
Tel 098-996-5026
Open 6:00-15:00
定休日 日曜・月曜
https://www.instagram.com/meguro_misosoupstand_/
(2021年3月時点の情報です。詳しくは店舗に直接お問合せください。)